Death

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プロフィール

有栖川貴姫

Author:有栖川貴姫

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小説ログ 3
臨静パロです

設定
臨也⇒美大生
静雄⇒余命を宣告された病人

死ネタです苦手な方は注意
本文は追記から!!




















課題の絵のモデルが中々決まらない。締め切りは既に半月を切ってると言うのに。

「人物画…か…」

描くならオレが本当に描きたい人物じゃないと嫌だな。そんなことを考えながら世界堂で課題用のキャンパスと何時も使ってる画材を買い、マンションへと戻った。
モデルをどうしようと考えながらエレベーターに向かう時、人とすれ違った。
見たことのない顔だった。長身に金髪、白い肌。そして他の人とは何か違う彼が纏う雰囲気に、オレは思わず振り返り、後のことなど考えず、気がつけばオレは彼に声をかけていた。

「君っ…!!」

振り返った彼の顔立ちはとても整っていた。彼は何故呼び止められたのかわからず、首を傾げた。

「なんすか…?」
「えっ…あ…えーっと…君、ここのマンションに住んでるの?」
「そうっすけど…」

同じマンションの住人だと?こんなに目立つのに今まで気がつかなかったのか。
オレがしどろもどろしていると彼は面倒くさそうに「用がないならいきますね」と呟いてその場を去ろうとした。オレは慌てて彼の手首を掴んだ。長身のわりには細い手首だった。

「用ならある。君に頼みがあるんだ」
「頼み…?」
「オレの絵のモデル、してくれないかな?初対面でこんなこと頼んで申し訳ないんだけど…君しかいない」

オレの言葉に彼は暫く黙っていた。嗚呼、やっぱり初対面の人間にこんなこと言われたら普通引くよな。言ってから自分の馬鹿、と思う。
だけど、彼を見た瞬間インスピレーションが多大に湧いたのだ。彼を描きたいと、オレの本能が叫んでいる。こんなこと今までなかった。初めての感覚だ。

「あ…ごめんね?いきなりこんなこと頼んでも迷惑だよ「どれだけかかる」「へ…?」

オレが諦めようと思った矢先、彼が口を開いた。いきなりのことにオレは目を丸くする。
今、なんて…?

「絵、描きあがるのにどれだけかかるかって聞いてんだ」
「え、えっと…骨組の段階で1週間…かな??」

まさか。もしかして。

「………いいぜ。モデル、してやるよ」

初対面の人間にいきなりモデル頼んで、承諾の言葉がもらえるとは思わなかった。だが、彼を描けると思うと嬉しい気持ちで心が溢れた。

「ありがとう!凄く嬉しいよ!!あ、まだ名前…名乗ってなかったね、オレは折原臨也、よろしく」
「平和島…静雄だ…」
「静雄くん…シズちゃんって呼んでもいい?」
「……かまわねぇよ」

手を差し出せば、照れくさそうに笑みを浮かべ、オレの手を取る彼はとても可愛かった。


―――――――
――――
――


次の日から、シズちゃんには夕方から深夜とオレの部屋へと通ってもらうことになった。
椅子に座り、窓の外を眺めるシズちゃんはとても儚げで。とても綺麗だった。
オレはそんなシズちゃんをキャンバスに収めていく。なんとも言えない感覚と気持ち。まるで初恋にも似た感覚だった。
毎日毎日、ひたすら鉛筆を握り、シズちゃんをキャンパスに収めていく。同時にシズちゃんに対するオレの気持ちも膨らんでいった。
運命とか今まで信じなかったけど、あの日、シズちゃんとオレがあそこで出逢うことは運命だったのではないのか?彼を見るたび、描くたび気持ちが溢れていくばかりだった。


―――――――
――――
――


1週間後、骨組みは大体完成し、あとは色を付ける作業だけになった。

「ありがとうシズちゃん、助かったよ!あと提出まで1週間半なんだけど無事間に合いそう」
「そりゃよかった。少しでも役に立てて」
「あのさシズちゃん、完成したらまず最初にシズちゃんに此の絵、見てもらいたい。だからもう少しだけ待っててね!!」

オレがそう言うと、シズちゃんは何処か悲しそうな眼をしながら笑った。

「嗚呼、わかったよ…」

今の表情、何…??


―――――――
――――
――


その表情の意味もわからないまま、オレは更に1週間、部屋に籠り絵を着色していった。
早くシズちゃんに会いたい。完成させてシズちゃんにこの絵を見せたい。その気持ちでいっぱいだった。今思えば、こんなに集中して絵を描いたのは初めてだった。

「でき…た…」

カラン、と水差しに筆を放り投げる。作業用のツナギも顔も油絵具で汚れていた。だけど、オレが今まで描いた中で一番の作品ができたと思う。オレは満足げに笑みを浮かべた。
早く、早くシズちゃんに見せてあげたい。
オレはそう思い、シズちゃんの携帯に電話をかけた。
コールの音が鳴り響く。何時もだったらすぐに出るのに。
オレは疑問に思い、顔だけを洗い、シズちゃんの部屋へと向かった。
インターホンを鳴らすと、弟の幽くんの声が返ってきた。

『はい?』
「折原ですけど、幽くん?シズちゃんいる?電話に出ないんだけど…」

返答を待っているとドアが開き、幽くんが出てきた。

「あ、幽くん、シズちゃんい「直ぐに来良病院に行ってください」え…?」
「この病室に、兄さんはいます」

病院?病室?彼は一体何を話しているんだ??
真っ白になっていく頭の中、本能が叫ぶ。 ―――早くシズちゃんの元へ行くんだ…!!
オレは幽くんに渡された紙を掴むと翻し、走り出した。
シズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃん!!!!!!!
何で?どうして気がつかなかったんだ?否、シズちゃんはオレに気付かせないように振舞っていたんだ。自分が病気であることを。

『あのさシズちゃん、完成したらまず最初にシズちゃんに此の絵、見てもらいたい。だからもう少しだけ待っててね!!』
『嗚呼、わかったよ…』


あの時、少しでも何か察すればよかったんだ。あの悲しそうな眼。今でも脳裏から離れない、あの表情。
胸が、軋んだ。


―――――――
――――
――


来良病院につき、看護師の「廊下を走らないでください!!」の言葉も無視して、オレは病室を目指した。
病室のドアを開けると、オレは絶句してしまった。人工呼吸器や大量の点滴のチューブ。其れ等に繋がれているシズちゃんがベッドに横たわっていた。

「シズちゃ…ん…」

オレの声に反応したのか、シズちゃんはゆっくりと瞼を上げた。

「い…ざや…?」
「シズちゃん!!シズちゃん!!どうしてっ…なんで言ってくれなかったの!?自分が病気だってっ…!!しかもこれっ…どういうことなんだよ…!!!!!!」

側に駆け寄り、シズちゃんの手を握り締めた。握り締めた手は、とても冷たかった。

「わかって…たんんだ…医者にはあと…もって…1ヶ月だからっ…て…あの時、先生に我儘言って…1週間だけ…外泊許可…もらったんだ…そのとき…お前に…会って…」

途切れ途切れの声。オレは一つも聞き洩らさないように唯々、聞いた。

「今まで…病気のせいで…誰の役にも…たてなくて…オレは…誰の役にもたてないまま…死んでいくんだ…と思うと…とても…怖かった…だけど…臨也に…モデル…頼まれ…て…初めて…誰かの役にたてるって…思って…だから…絵のモデル…引き…受け…たんだ…」

その言葉を聞いてると涙が溢れてきた。
こんな思いで、オレの絵のモデルをしていてくれたなんて。何も気づかず絵を描いていたオレ、最低じゃないか。
そう思って俯いていると、チューブに繋がれた手がオレの頬に触れた。

「ありがとうな…臨也…」
「シズ…ちゃん…?」
「オレ、あの1週間…本当に…楽しかっ…た…オレに…存在価値を…与えてくれて…ありが…とう…な………」

その言葉とともにゆっくりと落ちる瞼。力なく落ちる手。オレはその手を慌ててとる。

「シズ…ちゃん…??」




『ピ―――――――』


病室に響く機械音。オレはそれを茫然と聞いていた。

「嘘…だよね…?シズ…ちゃん…起きてよ…だってほらっ…最初に絵を見てくれるって…約束っ…したじゃないっ…!!起きてよっ…シズちゃん!!起きろよ…!!!!」

嘘だっていってくれ。オレまだ君に、好きだとも言えてないんだよ?
こんな残酷な運命、欲しくなかったよ――…



―――――――
――――
――


数年後、オレは大学を卒業し、そのまま画家になり、絵画界で話題を総なめにしていってる。今のオレがいるのは間違いなく、シズちゃんのおかげだと思っている。
あの絵はというと、誰にも見せることなく、オレの部屋に飾ってある。
あの絵は誰にも見せたくなかった。だって、この世にたった一つだけのオレとシズちゃんとの思い出、そして繋がりだから。
今でもたまに人物画を描く。だけど――…


「きみ以上のモデルなんて、絶対いないよ」




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みゆきたんことみゆき様から設定を何本かいただきこの設定が萌えたので書かせていただいた物
こんなに小説を真剣に書いたの本当に久しぶりでした
だけどみんな、私はレイヤーであって小説書きではないぞ^^^^
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